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 院長のあいさつ

このたびは、ホームページをご覧くださり、誠にありがとうございます。 

当院は、これまで微力ではありますが、診療所として約100年近く地域の皆様の健康に貢献できるよう努力してまいりました。今後も地域のかかりつけ医として、これまでの経験を生かしつつ、更に医療技術の日進月歩の進歩に対応できるように病院と連携し、地域医療の担い手として微力ながら皆様へより良い医療をご提供できるよう、日々努力を重ねてまいります。

院長 原田 直太郎

 院長の徒然コラム

クラス会への参加(平成30年11月)

  先日、大学時代のクラス会へ参加してきました。今回のクラス会は、亡くなった同級生をしのぶ会でした。彼は精神科の医師で、肝臓疾患で亡くなりました。クラス会の幹事より彼の著書を頂いたので、早速読ませていただきました。


「統合失調症治療の再検討(評論社)」という本で、最初に「わたしは昔から自ら行っている精神医療に違和感をもっていた。精神科医のみならず、看護師、精神保健福祉士、作業療法士、臨床心理士など、精神医療に携わる者は皆、自分の医療行為に疑問をもったことがあるのではあるまいか。」という言葉で始まり、精神疾患の治療についての難しさが述べられていました。


いろいろな治療法について検討されていますが、カウンセリングについては面白いことが書かれていました。精神科医は、カウンセリングを療法士に任せて自分ではしていません。有能なカウンセラーは「赤提灯つまり居酒屋の親父」であるとのことでした。なじみの客の話を聴いてあげて、アドバイスするといったようなことを毎日繰り返しているのですから、確かにそうかもしれません。私は、内科医ですので、精神科医とは違いますが、患者さんの馴染みとなり、診察の際に、ひと息つかせてあげることができるのは同じだと思います。


彼も健康であれば、日々葛藤しながらも、まだまだ仕事ができただろうと思います。彼の無念さを思いつつ、ご冥福をお祈りします。        

災害への対策(平成30年10月)

台風24号は、各地に様々な被害を与えましたが、当院も例にもれず3日間の停電を経験しました。小型の発電機でパソコンを起動させ電子カルテを開き、非常用のランタンや懐中電灯で明かりを確保し、なんとか診療を続けることができました。

2階や3階では貯水槽のポンプが起動しないため断水となり、職員が1階まで水を汲みに行かなければなりませんでしたし、冷蔵庫も使えず食料や医薬品の管理も大きな問題となったようです。

3日間も続く停電は、これまで経験がありません。とても不自由だったと同時に精神的にも疲労が大きかったように感じます。これまでも、災害に備えてきましたが、今回の経験で問題点や改善すべきことが多く見つかりましたので、今後に備え十分な備えをしたいと思います。

病棟についてのおしらせ(平成30年9月)

平成30年度診療報酬・介護報酬改定にて、介護療養型病棟の廃止が決定されたことを受け、当院2階の病棟を現在3階にて運営するグループホームの施設へ転換することを決定いたしました。

サービス提供の開始時期は来春を予定しており、11月より改修工事を開始しいたします。なお、詳細につきましては、追ってお知らせいたします。

この度の決定により、多方面の方々にご迷惑をおかけいたしますが、診療所ならびに介護保険施設として地域に必要とされるよう、今後も努力してまいりますので、変わらぬご理解とご協力をよろしくお願い申し上げます。

訪問診療にとりくむなかで(平成30年8月)

現在、地域医療として在宅医療に取り組んでいます。外来診療の合間と、木曜日の午後に訪問診療の時間を設け約20名の患者さんの自宅やグループホームへ伺っています。

私の父は、午後は往診専門で午後3時~8時頃まで毎日往診に出ていました。その姿を見ていましたので、私は故郷へ帰り診療所を継いだ後も、往診をすることに抵抗は無く、むしろ楽しみとなっています。たしかに十分な治療が施せない場合もありますが、訪問看護師やケアマネージャーさんの協力を得て、在宅での療養を希望する患者さんやその家族の助けとなり、地域の医療に貢献したいと日々考えています。

先日、訪問診療に伺っている患者さんより本をいただきました。その本は、患者さんが生まれてから現在までのことを書かれた「私の生涯」という自叙伝でした。拝読させていただいた際には、波乱万丈の生涯において、人を非難しないこと、恨み節がないこと、生涯を通して信念を貫き責任を持って生きてきた姿に感心し、清々しい気持ちになりました。

素敵な自叙伝を書き、ご夫婦でそれについて話し合えるということが、この患者さんにとってかけがえのない時間なのだとわかり、ほほえましく感じました。

私もこういった自分史を書いてみたいものだと思います。


介護に関する、おすすめ書籍(平成30年7月)

今回は、最近読んだ本のなかから、興味深かったものを2冊紹介します。

1冊目は、「看る力 アガワ流介護入門 (文春新書)」という本です。阿川佐和子さんと高齢者医療の第一人者である、よみうりランド慶友病院会長の大塚宣夫先生が、理想の介護法、理想の老後を語り合う対談形式の本です。阿川さんは、作家、エッセイスト、キャスター、さらには女優として幅広いジャンルで活躍なさっていますが、私生活では、父・阿川弘之氏の最晩年に病院に付き添い、いまも認知症のはじまった母の介護を続けていらっしゃいます。そこで得た教訓についてもこの本で語っておられます。

老後に向けての準備として、「定年後の夫は新入社員と思え」男性は炊事洗濯など、ひとり暮らしができるように訓練しておくことが重要です。また「恋は長寿の万能薬」ともおっしゃっています。おしゃれをすることや、恋をすることは若返る秘訣かもしれませんね。患者様のなかにも、一人住まいをなさっている方はたくさんおられますが、みんなさんとても頑張っておられます。

もう1冊は、「モア あるデンマーク高齢者の生き方(ワールドプランニング社)」という本です。デンマーク人と結婚した日本人妻が、義母の生き方について書いた本です。デンマークの方が大切にしていることは、最期まで自分の生き方を自分で決めることだそうです。デンマークの女性は自立しており、男女の分け隔てなく女性も自分の意志と力で家庭を築き、社会に貢献し、自分を磨き、自分の人生の総まとめとして、老後を全うするのだそうです。老後は、家族が面倒をみてくれるという日本的な考えとは異なり、福祉の援助を受けながら老後を全うする国なのだそうです。

日本人が考える家族とは、少し異なる社会なのだと感じました。どちらにも良いところ、悪いところは、あるのだと思いますが、とても考えさせられた1冊でした。

市民公開講座を拝聴して(平成30年6月)

先日、「糖尿病と認知症の予防」というテーマで、医師会主催の市民講座が開催されました。京都の先生をお招きし、2時間にわたり講演いただいたのですが、隣席した方とゲームをするなど、笑い声の絶えない愉快な講演で、とても楽しく拝聴し勉強になりました。

講演いただいた先生は、著書も多く、私がとても尊敬している方で、以前より新城市で講演いただきたいと考えておりました。1年ほど前に手紙を書いたのですが、ご多忙な先生ですので、今回やっと講演が実現した次第です。

講演には話し方や、間の取り方が大事なのですね。私も講演の機会をいただく事がありますが、同じようにはとてもできません。学ぶこと、共感すること、楽しむこと、多くの収穫を得た講演会でした。

先生は、現在でも肥満についての研究をされながら、講演会に飛び回っていらっしゃるようです。先生の研究テーマである肥満に関して、

ここで一句 

「 腹いっぱい、この気持ちが諸悪の根源 」 

 直太郎 こころの俳句

観劇(平成30年5月)

5月の初め、ゴールデンウィークを利用して、名古屋へ演劇を観に行きました。「沈香 名古屋空襲 焔の記憶」という舞台で、「戦争を語り継ぐ演劇公演 第5弾」として、東文化小劇場という300人程が入る小ホールで公演されました。

二次世界大戦中の学徒動員で名古屋の航空機製作工場に動員された若者とその家族を中心に展開され、戦時中の国民の意識の異常性、生き抜くことの大変さをまざまざと見せつけてくれる舞台でした。有名な俳優の出演はありませんでしたが、名古屋で活躍する演劇人の作品への思いや、情熱を強く感じました。なかでも、企画・構成から出演・演出までをこなしていた御年80歳を超える伊藤敬さんには驚かされました。

どのような時代であっても、人間の優しさや、品格は大切なものであり、失ってはならないのだと思います。時を重ねても過去の出来事を語り継いでいくことは大事なことなのですね。

平和を願う(平成30年4月)

 先日、97歳の元日本兵、「今、語るべきことを語る ニューギニア戦線での体験 」という講演を聴きに行きました。講演は対談方式で行われ、貴重な戦争の体験を聴くことができ、充実した時間を過ごしました。戦争体験を語るのは大変なことだと感じましたが、後世に語り継ぐことの大切さも実感しました。

 今回の講演を聴いて、少し前に読んだ「不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか」という本を思い出しました。194411月の第一回の特攻作戦から、9回出撃し「必ず死んでこい!」と言われながら、命令に背き、生還を果たした特攻兵の話です。特攻という方法を選ばなければならないほど、悪化した戦況下での兵士や家族の苦悩や政府による報道規制・言論統制など戦時中の異常な状況がよくわかる書籍です。著者は作家であり、脚本家の 鴻上尚史 氏です。興味を持たれた方はぜひ読んでみてはいかがでしょうか。

 世界情勢はめまぐるしく変わりますが、日本はいつまでも「不戦の国」であって欲しいと強く願います。


息子からのメール(平成30年3月)

普段、あまり連絡をしてこない息子から、メールが届きました。久しぶりだなと思いながらメールを開くと、私に本を勧める内容でした。私は、早速、本屋へ出向き、息子に勧められた「イン・ザ・プール」奥田英朗 著 を購入し読んでみました。

 伊良部一郎という、とても変わった精神科医が登場し、ユーモアのある風変わりな治療によって、病の苦しみを何気なく、明るく解決してゆくといった内容の短編が詰まった本です。本当に面白い内容で私も誰かに勧めたいと感じる本でした。このシリーズは3巻あるのですが、ぜひ3巻続けて読んでみていただきたいです。

 今回、三男(35歳)が本を勧めてくれたこと、それを読んで面白いと同じ本に共感できたことが、本当にうれしかったです。やはり親子は感性が似ているのだなと実感しました。考えてみれば、音楽が好きなこと、そのジャンルも似ていることなど多くの共通点があるのです。年を経ることで、親子の関係も熟成していくように感じました。

 最近は、年を取るということは、楽しいことも多いように思えて「百歳の人生も悪くない」と思える今日この頃です。

皆さんに紹介します(平成30年2月)

先日、本屋にて目にとまり購入した本がとても面白い本でしたので、皆さんに紹介したいと思います。

今回ご紹介するのは、「ランチ酒」 原田ひ香 著 (祥伝社)という本です。

主人公は「見守り屋」という職業で、営業時間は夜から朝まで、客から依頼が入ると人やペットなど、とにかく頼まれたものを寝ずの番で見守るというものです。そんな主人公の唯一の贅沢は仕事を終えた後の「ランチ酒」です。夜から翌朝までの仕事なので晩酌ではなく「ランチ酒」となるわけです。

その設定と食事やお酒の解説が面白く、人情があふれる街、人々との交流など温かなものも感じられます。店をみつける楽しさと、お酒を飲む喜びを共に感じられる本です。


私もお酒は、嫌いではないので、ランチとお酒に癒される主人公に共感できることも多く、ビール片手に楽しく読み終えた一冊でした。とてもユニークで、面白い作家です。みなさんも読んでみてはいかがでしょうか。

本年もよろしくお願いいたします(平成30年1月)

あけましておめでとうございます。

昨年は楽しいこともあり、悲しいこともあり、そして様々な出会いがありました。

今年も新たな気持ちで励みたいと思います。本年もよろしくお願いします。

昨年より、木曜午後の診療を非常勤の先生にお任せし、その時間を往診に専念できるようになりました。それ以前も、往診へ出向いていたのですが、まとまった時間を設けることができるようになり、安心して往診の依頼を引き受けられるようになりました。仕事のスタイルが変わりましたが、とても充実感があります。

そのような日々のなか、長尾和宏先生の「痛い在宅医」という本を読み衝撃を受けました。この本は、在宅医療の現場での医師と患者さん家族の思いのすれ違いなど、在宅医療の光と影を描いたドキュメンタリーです。在宅医の在り方について、とても考えさせられました。

医療は医師だけでなく、他職種の方々の協力、患者さんやご家族の理解など、多くの方の協力で成り立っています。誰もが充実感を持って過ごせたらよいですね。

朋あり、遠方より来る(平成29年12月)

  以前手にした、ソロギターリスト「わたなべ ゆう」さんのCDがとても気に入り、コンサートのパンフレットとともに友人に贈ったことがきっかけとなり、先日、湯谷温泉近くのレストランで行われた、ギターコンサートへ高校時代の友人2人と足を運びました。とても素敵な演奏で、ビートルズのカバーなどを中心に1時間半ほどの時間を友人と共に楽しみました。

 コンサートで気分が良くなった後は、近くの寿司屋で4時間ほど語り合いました。あれやこれやと昔の思い出や、近況を話し、現在健康でいられることは本当に幸運だと喜びい合いました。月日は流れても語り合ううちに、気持ちは18歳のころに戻ってしまうようです。高校時代の友人はよいものです。有意義で充実した週末の時間を友と過ごし、また来年も再会することを約束しました。

「朋あり、遠方より来る、また楽しからずや」

師走を迎え、寒さも厳しくなってまいりました。皆様、くれぐれもご自愛の上、ご多幸な新年をお迎えください。

    

ふたつのお祭り(平成29年11月)

私には、毎年楽しみにしている秋のイベントが2つあります。

10月に開催される海老の秋祭りは、子供のころからの楽しみです。

法被を着たお祭り小僧達がお宮に集まり、お祭りが始まります。日曜の夕方からは御神輿が海老の町をねりあるき、「わっしょい!わっしょい!」と3時間に渡り盛り上がります。クライマックスは小学校で行われる花火です。祭りを締めくくる打ち上げ花火は、まさに天空の絵巻と言わんばかりに、夜空を覆い尽くす迫力です。小学校の運動場へ流れ星が降り注ぐような光景はこのお祭りならではだと思います。機会があればぜひご覧いただきたいです。


もうひとつのイベントは、当医院が協賛している「くり畑の集い」です。今年で第14回目を迎えました。天候は雨でしたが、多くの方が来場くださり、賑やかな催しになりました。アンケートからも十分に楽しんでいただけたことがうかがえ、半年をかけて準備した実行委員の苦労も報われたのではないでしょうか。毎年、楽しみに来場くださる方も多く、本当にありがたいことです。

地域に根差したの医療機関として、今後も励みたいと思います。


熊野古道(平成29年10月)

3年前から、大学時代に所属していた柔道部の仲間と年に1度旅行するようになり、今年は世界遺産の熊野古道へ行ってきました。鹿児島や東京の仲間と名古屋で合流し、紀伊本線に乗り尾鷲まで行き、尾鷲から熊野古道を歩く7㎞のコースを歩きました。


このコースは馬越峠を通る道で、熊野古道で最も美しいといわれる石畳とヒノキ林を散策する道です。標高は325mと高くないのですが、重厚な自然石が折り重なるように敷き詰められた石畳が圧巻でした。雨上がりで滑りやすかったこともあり、3時間ほどかかりましたが、怪我も無く無事に踏破しました。尾鷲の熊野古道センターでは、丁寧な説明もあり、熊野古道の全体像がよくわかりました。この道をつくった当時の人々にとても感心しました。翌日は、電車で伊勢まで移動し、外宮そして内宮と参拝して岐路につきました。


久しぶりに仲間に会い昔話にも花が咲き楽しい時間を過ごしました。とてもよいリフレッシュになりました。日本の探索も面白いものですね。まだまだ行ったことのないところがたくさんありますから、次はどこへいこうかと来年の旅行が待ち遠しく思われます。

真夏の出来事(平成29年9月)

先月( 8月 )に妻の友人の息子さんを、インターンシップとして、10日間おあずかりしました。

ことの起こりは、今年の3月に妻の友人を訪ねて、魚のおいしい富山へ出向いた際、紹介いただいた息子さんが医学部を目指していると知ったことでした。私は、大学生のとき、同級生が環境を変えて勉強するために、夏休みを利用して、私の家の近くに来ていたことを思い出し、夏休みに勉強をしに来ないかと、彼に声をかけたのです。

お預かりした10日間は、長いようであっという間でした、日中は院長室を利用して普段の勉強をし、昼食は職員と共に食堂で食べ、夜は我が家で語らい、過ごしてもらいました。往診にも連れて行き医師の仕事を現場で見てもらいました。とても礼儀正しく、しっかりとした息子さんで、とても感心しました。

彼が帰った後、部屋には手紙が置いてありました。

「院長先生、奥さん、職員の皆様へ、10日間という短い間でしたが、とてもお世話になりました。僕はまだまだ未熟ですから、もっともっと勉強する必要があります。今のままでは、医学部には手も届きません。ですが、必ず夢を叶えます。ここへ来て本当に良かったと思っています。一期一会、人との出会いを大切にして、これからも努力を重ねていきます。本当にありがとうございました。」

今年の夏は、素晴らしい高校生に出会い、清々しい気持ちになりました。


最近読んだ本のおはなし(平成29年8月)

  今回は、最近読んだ新書のなかで、とても共感できたものを紹介するとともに、それに関連したお話しをさせていただきます。ご紹介するのは、茂木健一郎先生(脳科学者)の「痩せないのは脳のせい?」という新書です。

みなさんは、ゆでカエル理論というものを聞いたことがありますか。熱いお湯にカエルを入れると驚いて飛び跳ねます。ところが常温の水にいれ、徐々に熱していくとその水温に慣れていく。そして熱湯になったときには、もはや跳躍する力を失い飛び上がることができずにゆで上がってしまうというものです。(実際のカエルはこのようにはならないそうです。)

茂木先生は、体重が増加する過程をこの理論に関連づけて説明されていました。肥満になる過程は鍋の水が熱せられるようなもので、気付いた時には健康に支障をきたすような状況になってしまうのです。また、脳は何かと言い訳するのが、とても得意なのだそうで、それがダイエットをする際に心の問題となるようです。つまり、脳がその気にならなくては痩せられないが、脳さえその気になればうまくいくということなのだそうです。

は、脳科学者ではありませんから、医者の立場から、みなさんに実践していただきたいことをアドバイスさせていただきます。

① 毎日、体重計に乗り100グラムの増減にも気を配る

② 血圧を測る

③ 食事は野菜から食べる

この3つを守れば、必ず体重のコントロールが可能になると思います。食事療法を苦しいことと思わず、考え方を少し変えて楽しむこと、それが、より効果を出す秘訣なのではないでしょうか。

在宅療養(平成29年7月)

    先日、近隣市街にある病院より、在宅療養される方の往診を依頼されました。患者さんは、末期の癌であり、ひとり住まいであったため、退院後は兄が自宅へ連れて行き、介護したいとのことでした。私が往診する以外にも訪問看護を利用し、義理の姉が主体となって家族で介護をしてみえました。在宅療養をはじめて、一週間後の患者さんの顔つきは、いきいきとしており、温かな家族とその家族への感謝の気持ちが表情に表れているのだなと感動しました。

 患者さんやご家族とは、自宅で最期を迎えることを話し合っていましたので、しばらく在宅療養を続けられた後、患者さんは自宅で安らかに旅立たれました。最期の往診の際は、深夜でしたが私に眠気は無く、その代わりに、ささやかだが患者さんや家族の役に立つことができたのではないかという充実感がありました。

 在宅療養は、医師のみではなく、家族、看護師、ケアマネージャーなど様々な方の協力で成り立っています。多くの方に仕事の充実感を味わっていただきたいという思いと共に、地域における在宅でのケアの在り方についても考えていかなければと感じました。

  

それぞれの地方創生(平成29年6月)

 先日、患者さんより「それぞれの地方創生」という本をいただきました。この本の著者の多くは、患者さんの教え子だそうです。副題には「愛知・三河を中心に静岡・東京」と付けられており、なんとかして、故郷の三河を盛り立てたいという情熱と地方創生へのそれぞれの思いが書かれた、とてもユニークな本です。

 この地域は、高齢化率が高く過疎化が進んでいます。最近の統計では、消滅可能性都市とも言われています。以前より、様々な対策が講じられていますが、若い人達が地元に戻り生活できるかどうかも、大きなポイントのような気がします。難しい問題ですが、この本を読み地域のためにできることはまだまだあると感じました。

 地域に関心を寄せている方のみならず、この地域で生活されている方にとっても興味深い内容の本だと思います。この地域には興味深いところが数多くありますから、多くの方に知っていただきたいものです。新東名高速道路の開通により、交通の便がよくなりましたし、NHKの大河ドラマ「直虎」のゆかりの地であることも、地域にとって追い風になるのではと期待しています。

 今回紹介した「それぞれの地方創生」という本は、待合室の本棚に収めてあります。来院の際には、ぜひご覧ください。



ワーク・ライフ・バランス(平成29年5月)

  今年の1月より当院の診療時間を変更しました。これまでは、患者さんの利便性を考え、私の両親が診療していた時間をそのまま継承していました。しかし、地域の変化や社会情勢の変化にともない見直しを図ることになりました。診療時間を変更した際に、患者さんより、私の体調を心配する声をいただきましたが、そうではありませんのでご安心ください。

  私たち医療従事者には「自分の時間は患者のもの」という考えが古くからありますが、最近では過度の残業や過労死などが社会的にとり上げられ、働く者の心身の健康への配慮や、働き方の多様化が求められています。医療や介護の現場も例外ではなく、私たちが心身共に健康な状態で働くことは、患者さんや利用者さんをお迎えするうえで、とても重要なことなのです。また、地域のみなさんに医療サービスや介護サービスを提供するだけでなく、働く環境も提供していくことが地域医療の担い手に求められているのではないかと感じています。

  今回の診療時間の変更と共に、週に一度(木曜日)午後の診療を若い先生にお願いしています。外科・内科ともに診察いただける親切で優しい先生です。その時間に私は往診に出かけています。集中して往診に出向くことで、時間にも余裕ができ、集中して働けます。また、リフレッシュもできていると感じています。

まだまだ、楽しく仕事ができそうです。 

「大統領の演説」を読んで(平成29年4月)

      書店にて、パトリック・ハーマン著の「大統領の演説」という新書が目にとまり、早速購入して読んでみました。内容は、ケネディ大統領やオバマ大統領の演説が日本語で細かく説明されたものです。

 読んでみて感じたのは、オバマ大統領の広島での演説は、やはり素晴らしいものだったということです。戦争は、やはり双方の責任であり、「よい」「悪い」といった問題ではありません。お互いがよく理解し合い、相手の立場に立って考えることが一番重要ですね。そして、広島や長崎の重要さ、日本が世界に果たす役割について考えさせられました。

 ケネディ大統領は「アメリカが何かしてくれるのではなく、あなたが何を国のために、人のためにできるか自分で考えて行動してほしい。そして世界の人々が、いかに平和のため協調していけるかを考えてほしい」と述べています。

 トランプ氏が大統領に選ばれた現代において、アメリカの考える「正義の味方」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。シリアへの攻撃や北朝鮮の問題など、時勢が今までとは違った方向へ動くなか、よい意味でも、悪い意味でもアメリカ人気質がわかり、双方の理解の助けになる面白い本だと思いました。     

お勧めの2冊(平成29年3月)

 最近読んだ本のなかから、とても感動した本を2冊紹介します。まず1冊目は浅田次郎氏の「帰郷」です。太平洋戦争で南方へ派遣された兵隊の復員後について書かれたもので、短編を集めたものです。戦争の傷跡はいつまでも心身に残り苦しめるものであることを痛感させられました。私の父も軍医として派遣され、昭和20年に帰ってきたのですが、父からは戦争体験を直接聞くことはありませんでした。父が戦争のことを全く話さなかったのは、悲惨な体験を重ねてきたからなのだろうと思っています。

 2冊目は平野啓一郎氏の「マチネの終わりに」という恋愛小説です。この作品はメールを使った現代的な設定で、とても悲しいのですが、ストーリー展開が面白く、久しぶりに読むのをやめられなくなってしまった1冊です。ストーリーを考えるだけでも大変だと思うのですが、その巧みな描写は、まるで映画を見ているような感覚になります。なによりも小説のところどころに私の好きな「ビートルズ」に関することに親しみを感じます。

 内容の異なる2冊ですが、興味をもたれた方はぜひとも読んで楽しんでください。


美術館めぐり(平成29年2月)

先日、東京へ行き、2か所の美術館へ足を運びました。初日は三菱一号館美術館にて「オルセーのナビ派展」を観覧しました。ナビ派は19世紀末のパリで活動した、ゴーギャン(印象派)以後の画家たちで、画面構成には日本の浮世絵版画が影響を与えているそうです。あまり知らなかった画家たちなので、とても新鮮で面白かったです。

 翌日は、森アーツセンターギャラリーの「ヴェルサイユ宮殿(監修)マリーアントワネット展を観覧しました。会場へ入場するために1時間以上並び、入場してからも各所で並んだため、とても疲れました。マリーアントワネットといえば、贅沢三昧で、人民のことなど何も考えていなかった王妃というイメージですが、その一生はとてもドラマチックです。14歳でオーストリアからフランスへ嫁ぎ、様々な中傷や妬みに翻弄され、37歳で処刑され最期を迎えます。私が考えていた王妃とは違い、とても不運な王妃で、彼女なりに一生懸命考えて生き抜いたその人生は涙を誘いました。

 久しぶりに訪れた東京では、普段の生活ではできない体験をし、十二分に楽しめました。また、とてもよい気分転換になり、休養が取れた2日間でした。

明けまして、おめでとうございます(平成29年1月)

明けまして、おめでとうございます。

 みなさんは、どのような年末年始を過ごされましたか。この度の年末年始は、入所・入院中の方を含め4人の患者様がお亡くなりになり、ご家族の皆様は、大変な年末年始を過ごされたと思います。医師という仕事上、患者様を看取る際の悲しみは、終始経験しなくてはならないことではありますが、今回は一時に数件が重なり複雑な心境でした。

 さて、本年より診療時間を変更いたしました。診療時間の変更をお知らせした際に、私の体調を心配してくださる患者様がいらっしゃいましたが、体調を崩したわけではありません。今後のことを考え、ワーク・ライフ・バランスの面から変更を決めました。変更に伴い診療時間が午前と午後のそれぞれ1時間短縮となりました。朝の時間は検査や書類作成に利用し、夜は余裕をもって研修会や理事会などへ参加できるようになりました。まだ、変更して2週間程ですが、生活にもゆとりを持てるようになりました。

 ある有名な大学教授が高齢者医療への提言をとして「日本の医療は経験をよりどころにして判断するハウツー主義なのでいけない。年をとった医師ほど、人一倍勉強しなくてはいけない」と述べています。(自分はまだ年をとっていないと思うのですが...)ありがたい言葉として受け止めたいと思います。本年もどうぞよろしくお願いいたします。